本当のパーソナライズは、あなたが書いた背景を使います。先週緊張していた会議のこと、何度も名前が出てくる人のこと。そして結果を決めつけずに尋ねます。名前を入れる、今書いたことを言い換えて返す、決まった問いかけのリストを順番に出す、といったものはパーソナライズに見えますが、そうではありません。問いかけは、自分がまだ考えていなかった何かを開いてくれるかどうかで判断しましょう。
よいパーソナライズは、背景を控えめに使う
関係のある問いかけは、あなたがこれまでに書くと決めた人、予定、気分、問いを手がかりにすることがあります。それを今日の記録とつなげつつ、そのつながりが違っていたら、あなたが直せる余地を残しておくべきです。
両者を分けるのは、この控えめさです。覚えていることをひとつだけ使って止まる問いかけは、書く余白を残してくれます。4つのことを組み合わせて「あなたの1週間はこうだった」という説を立てる問いかけは、もう記録を代わりに書いてしまっています。
弱いパーソナライズは、たいていあなたの文章を言い換えるだけだったり、どんな細部も無理にひとつの傾向に当てはめたり、どんな状況にも同じ明るい質問を返したりします。自分向けに聞こえても、考える助けになることはほとんど尋ねていません。
- その問いかけは、意味のある細部を使っているか?
- あなたが何を感じているかを決めつけていないか?
- 無視したり、方向を変えたりしやすいか?
- もしその細部が間違っていたら、悪い質問になっていたか?
パーソナライズに見えて、実はそうでないものは?
よくある見せかけを知っておくと、3か月後ではなく最初の1週間でサービスを判断しやすくなります。
- オウム返し:最後に書いた文が、そのまま質問になって返ってくる。
- 名前の差し込み:一般的な問いかけに、あなたの名前がついているだけ。
- テーマの固定:どの記録も、あなたについての同じ結論の証拠として読まれる。
問いかけがよいかどうかは、どう判断する?
大切なのは、問いかけがすごく具体的に見えるかどうかではありません。何かに気づく、何かを思い出す、あるいは正直な一歩を踏み出す助けになるかを考えましょう。シンプルな質問でも、ちょうどいい背景とともに届けば、とても個人的なものになります。
言葉選びよりもタイミングのほうが大きな役割を果たすことはよくあります。「どうだった?」はありふれた質問ですが、憂うつだった日のその夜に届けば、ぴったりの質問になります。逆に、日が合っていなければ、どれほど上手に作られた問いかけもただの飾りです。
問いかけが話を早く狭めすぎていると感じたら、本当は聞いてほしかった質問に答えてしまいましょう。日記はあなたの関心についてくるべきもので、それと張り合うものではありません。
いちばんよい問いかけは、間違える余地を残している
あなたの文章をもとに動くシステムは、ときどき読み違えます。質問の形をとった問いかけなら、それでも問題になりません。でも、あなたについての観察として言い切る問いかけはそうはいきません。自信たっぷりに誤解されることは、日記を信頼できなくなるいちばんの近道です。
だからこそ、ためらいのある言い方は弱さではなく長所です。「これはまだ気になっていますか?」という質問は、推測が外れても何も失わず、当たれば本当に役に立ちます。
パーソナライズは、実際どう動いている?
おおまかな仕組みを知っておくと役に立ちます。どんな説明がもっともらしく、どんな説明が宣伝文句なのかがわかるからです。
この分野で、あなた専用に学習させたモデルが使われていることはほとんどありません。モデルの学習はお金も時間もかかり、ユーザーごとにそれをしている日記アプリはありません。実際に行われているのは「検索して取り出す」ことです。アプリは記録から整理した情報を保存しておきます。名前の出てきた人、繰り返し出てくる話題、印をつけた日付、これまでの要約などです。そして問いかけを作るときに、関係のある部分を選び出し、汎用のモデルに送るリクエストに含めます。
つまり、パーソナライズの質は、賢さの問題というより、主に何を保存してどう取り出すかの問題です。モデルは誰もが使っているものと同じです。サービスごとに違うのは、何を覚えておくことにしたか、そしてちょうどいいときにちょうどいい断片をどれだけうまく選べるかです。
よくある失敗の理由も、これで説明できます。問いかけが不思議なほどぴったりなら、取り出しがうまくいったということです。知らない誰かのことを言っているように感じるなら、システムが間違った背景を取り出したか、背景がなかったので、すき間を埋めるためにもっともらしいものを作ったということです。
本物の背景とテンプレートを見分ける
何が両者を分けているかがわかれば、確かめるのは簡単です。
本物の背景には、あなたの文章からしか出てこない具体的なものが入っています。名前、日付、あなたが使った言い回し、書いた状況などです。テンプレート型のパーソナライズに入っているのは、カテゴリーです。最初の設定で「不安」を選んだことを知っていて、ずっと不安向けの問いかけを出し続けます。後者は作るのが簡単で、多くのアプリが「パーソナライズ」と呼んでいるのはこちらです。
いちばん強いサインは、まだ覚えているとは思っていなかったことに触れてくる問いかけです。憂うつだと書いた特定の出来事について、数日後に「どうだった?」と尋ねる質問は、テンプレートではごまかせません。それはいちばん作るのが難しい機能でもあり、だからこそうまくできているサービスはごくわずかです。
- 本物:あなたが実際に書いた人、場所、言い回しに触れている
- 本物:タイミングをふまえている。出来事の後や、あなたが書いた一時期の終わりなど
- テンプレート:記録ではなく、最初の設定で選んだカテゴリーを反映している
- テンプレート:同じタグを選んだ人なら誰にでも同じように当てはまる
- つなぎの言葉:なめらかで温かく、ほとんど誰にでも当てはまる。いわば星占いテスト
この記事は「AIジャーナリング」の一部です。日記が文脈を覚えられると何が変わるのか、AI日記は紙やチャットボットと比べてどうなのか、そして機械と一緒に書くことの正直な限界について。